2017年08月24日
【告別式】 想いを伝える
2017.8.24
【告別式】 想いを伝える
どうしても伝えたい時に、
もうその人はいなくなっている。
一年前にやっとわかった、
自分の心の中に宿る父への想い。
伝えられなかったその想いを、
告別式の挨拶に込めさせていただきました。
*********************************
本日は、ご多忙中にも関わらず、、
亡き父「長利」の告別式にご会葬下さいまして、
厚く御礼を申し上げます。
ここからは、5分少々お時間を頂戴して、
父の足跡を紹介させていただきます。
父は、お客様や地域を最優先に考えて
行動する人でした。
しかし、小学生だった私は、
父のことが「嫌い」でした。
それは、
店じまいの前から酒を口にして、
時に酔いつぶれ、時に暗闇に向かって
大声で「バカヤロー」と叫ぶ父が、
私には理解できなかったからです。
そんな父の気持ちが、
最近、やっと分かってきました。
父「長利」の父親「幸市」は、
1944年、終戦一年前の夏、
マリアナ諸島沖で、帰らぬ人となりました。
31歳の若さでした。
小学校一年生の「長利」は、
幼くして、5人兄弟の父親代わりとして、
そして、丸地商店の店主として、
戦争による運命のいたずらで、
苦労を背負った人生を歩み始めました。
父は音楽が大好きでした。
先生からは、
音楽の道へ進むように勧められていました。
「ほい、長ちゃを音楽の道へ進めちゃあどうかん?」
先生の勧めに、
母親の「やすよ」は、店のことを考えると、
首を縦には振れませんでした。
父は、音楽への夢を心の奥底に封じ込めて、
店を手伝い、兄妹を養いました。
1964年に私が生まれ、次いで妹の直代、
弟の健史が生まれ、父は私たち子どものために、
そして、お客様と地域の為に、
懸命に働き続けました。
私が高校生になった1980年の年末、
父の仕入れを手伝う車の中で、
父の想いを聞かされました。
「お父さんはなぁ、いつか町会議員に
立候補しようと思っとるだ。
連谷をもっと良くしたいだ」
私は耳を疑いました。
毎晩のように飲んだくれて、
時に大声で叫ぶ父を、私は軽蔑していたからです。
それから15年の時が流れた1995年、
連谷は過疎化が進み、店は閑散としていました。
時間が出来た父と母は、田んぼを借りて、
米づくりをはじめていました。
その年は豊作でした。
父は重いモミ袋を積み下ろす作業を楽しんでいました。
ところが、作業の途中で急に息苦しくなり、
倒れこんでしまいました。
幼い頃から働き続け、長年酷使した父の心臓は、
ボロボロになっていたのです。
長時間にわたる心臓手術で、父は復活しました。
2000年の秋、父は一大決心をして、
鳳来町議会議員に立候補しました。
20年前に市場へ向かう車の中で聞かされた
議員になる「夢」。
音楽への「夢」を封じ込め、
お酒で紛らわせていたエネルギーを
議員への「夢」に向けて行動を起こした父。
今まで疎ましく思っていた父が、誇りに思え、
尊敬の念が湧いてきました。
順調な議員生活が始まったかのように見えましたが、
父の心臓は爆弾を抱えていました。
地域の為に懸命に働きたいのに、
時折襲ってくる発作に悩まされ続けました。
今から3年8か月前の、2014年1月6日の朝、
父は心臓発作が原因の脳梗塞で倒れました。
左半身が麻痺した父の食事を介助しながら、
私は父のことを振り返っていました。
思うようにならない運命に対しても、
地域とお客さま、そして私たち子どもの為に
身を削り働き続けてくれたこと。
地域に助けられ、「長ちゃ、長ちゃ」と慕われ、
頼りにされ、かわいがられていた父。
そんな父が偉大に思えてなりませんでした。
お父さん、ありがとう。お疲れ様。
私はお父さんの息子で本当に良かった。
最後に、
父が倒れて、3年と8か月の間。
雨の日も、風の日も、雪が舞う寒い冬の日も、
毎日父を見舞い、父に声をかけ、
励まし続けてきてくれた、お母さん、
本当にありがとう。お疲れ様。
大きな愛に包まれて、
父は笑顔で天国への階段を上っていることでしょう。
父の存命中は、皆様方より賜りましたご厚誼に、
深く感謝申し上げますとともに、
今後とも変わらぬご厚誼をお願い申し上げます。
本日は、ありがとうございました。

*********************************
いつもありがとう
【告別式】 想いを伝える
どうしても伝えたい時に、
もうその人はいなくなっている。
一年前にやっとわかった、
自分の心の中に宿る父への想い。
伝えられなかったその想いを、
告別式の挨拶に込めさせていただきました。
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本日は、ご多忙中にも関わらず、、
亡き父「長利」の告別式にご会葬下さいまして、
厚く御礼を申し上げます。
ここからは、5分少々お時間を頂戴して、
父の足跡を紹介させていただきます。
父は、お客様や地域を最優先に考えて
行動する人でした。
しかし、小学生だった私は、
父のことが「嫌い」でした。
それは、
店じまいの前から酒を口にして、
時に酔いつぶれ、時に暗闇に向かって
大声で「バカヤロー」と叫ぶ父が、
私には理解できなかったからです。
そんな父の気持ちが、
最近、やっと分かってきました。
父「長利」の父親「幸市」は、
1944年、終戦一年前の夏、
マリアナ諸島沖で、帰らぬ人となりました。
31歳の若さでした。
小学校一年生の「長利」は、
幼くして、5人兄弟の父親代わりとして、
そして、丸地商店の店主として、
戦争による運命のいたずらで、
苦労を背負った人生を歩み始めました。
父は音楽が大好きでした。
先生からは、
音楽の道へ進むように勧められていました。
「ほい、長ちゃを音楽の道へ進めちゃあどうかん?」
先生の勧めに、
母親の「やすよ」は、店のことを考えると、
首を縦には振れませんでした。
父は、音楽への夢を心の奥底に封じ込めて、
店を手伝い、兄妹を養いました。
1964年に私が生まれ、次いで妹の直代、
弟の健史が生まれ、父は私たち子どものために、
そして、お客様と地域の為に、
懸命に働き続けました。
私が高校生になった1980年の年末、
父の仕入れを手伝う車の中で、
父の想いを聞かされました。
「お父さんはなぁ、いつか町会議員に
立候補しようと思っとるだ。
連谷をもっと良くしたいだ」
私は耳を疑いました。
毎晩のように飲んだくれて、
時に大声で叫ぶ父を、私は軽蔑していたからです。
それから15年の時が流れた1995年、
連谷は過疎化が進み、店は閑散としていました。
時間が出来た父と母は、田んぼを借りて、
米づくりをはじめていました。
その年は豊作でした。
父は重いモミ袋を積み下ろす作業を楽しんでいました。
ところが、作業の途中で急に息苦しくなり、
倒れこんでしまいました。
幼い頃から働き続け、長年酷使した父の心臓は、
ボロボロになっていたのです。
長時間にわたる心臓手術で、父は復活しました。
2000年の秋、父は一大決心をして、
鳳来町議会議員に立候補しました。
20年前に市場へ向かう車の中で聞かされた
議員になる「夢」。
音楽への「夢」を封じ込め、
お酒で紛らわせていたエネルギーを
議員への「夢」に向けて行動を起こした父。
今まで疎ましく思っていた父が、誇りに思え、
尊敬の念が湧いてきました。
順調な議員生活が始まったかのように見えましたが、
父の心臓は爆弾を抱えていました。
地域の為に懸命に働きたいのに、
時折襲ってくる発作に悩まされ続けました。
今から3年8か月前の、2014年1月6日の朝、
父は心臓発作が原因の脳梗塞で倒れました。
左半身が麻痺した父の食事を介助しながら、
私は父のことを振り返っていました。
思うようにならない運命に対しても、
地域とお客さま、そして私たち子どもの為に
身を削り働き続けてくれたこと。
地域に助けられ、「長ちゃ、長ちゃ」と慕われ、
頼りにされ、かわいがられていた父。
そんな父が偉大に思えてなりませんでした。
お父さん、ありがとう。お疲れ様。
私はお父さんの息子で本当に良かった。
最後に、
父が倒れて、3年と8か月の間。
雨の日も、風の日も、雪が舞う寒い冬の日も、
毎日父を見舞い、父に声をかけ、
励まし続けてきてくれた、お母さん、
本当にありがとう。お疲れ様。
大きな愛に包まれて、
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深く感謝申し上げますとともに、
今後とも変わらぬご厚誼をお願い申し上げます。
本日は、ありがとうございました。
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